（中村哲也／ホビージャパンコミックス・全７巻）
カードゲーム「マジック：ザ・ギャザリング」をあたかも実際に魔法を使っているかのようなリアルさでプレイできるシステム、「プレインズウォーカー」。
それは子供たちだけが入り込める、魔法の空間だった。謎の男・ブラスに誘われるままにその中に入った竜ヶ崎刃は、その初戦、黒の呪文を駆使する緋沼晶に苦杯を喫する・・・
いやあ、困った（笑）。
野球マンガやテニスマンガ、将棋マンガあたりなら堂々と紹介するんですが、このマンガは「マジック：ザ・ギャザリング（以下Ｍ：ＴＧと略）マンガ」。このゲームをプレイしたことがある人以外にはチンプンカンプンであろう作品を紹介するのは心苦しいものがありますね、正直。
基本的に勢いで引っ張る作品なので、少年（少女）魔道士による召喚バトルマンガと割りきって読めばＭ：ＴＧ知らない人でも読めるかも。でも、「パーミッション」「赤バーン」「クリーチャー呪文」・・・やっぱり専門用語の連発は辛いですね。一応、巻末に初心者講座は載ってますが。
しかし、その難点を補って余りあるのが多彩なキャラクターの魅力。バトル中心の熱い作品なのですが、それをあざといまでにキャラの立ったメンバーで和らげており、ストーリーとキャラクターの両輪がうまくかみ合って、読者を引き付けてくれる、力のある作品になっています。
２０００．１０