(博/芳文社まんがタイムKRコミックス・全2巻)
高校1年生のゆうは、父が営む熱帯魚店の店番をしているとき、快活な少年・よしあきと出会う。
一方、よしあきの幼なじみ・さおりは、高校に入ったら同性の友達を作りたいと思っていて……
「アクアリウム」を軸に、少女たちの友情とすれ違い、三角関係を描いた、みずみずしくも繊細なストーリー四コマ。
ストーリー性を重視した四コマ作品で、過去に当サイトで紹介した「きらら」系作品に見られたようなネタの切れ味や萌え要素よりも、、あくまで丁寧に学生生活を切り取っていく、そのスローさが印象に残る好作品です。
正直なところ、ストーリーの指向性から見ても、絵柄から見ても、四コマでやることがベストだとは思えない部分はあるのですが、起承転結の四コマで細かくリズムを作り、それを重ねていく方法でストーリーを展開しているので、独特の読みやすさがありますね。
ゆうとさおりの友情を描くのか、あるいは三角関係が主眼なのか、掴みづらい部分があるのですが、それがむしろこの作品の肝で、思春期らしい、心地いい不安定さに繋がっている感じもあります。
何度でも読み返したくなる、優しくてみずみずしい佳作です。
2011.7