あさやけリフレイン

(まつだひかり/講談社アフタヌーンKC・1巻〜)

ハイテンションモードへ

story

 河下心はベースを弾きつつ、“shin”のハンドルネームで自作曲をネットに公開するのを趣味にしている内向的な女子高生。音楽は聴くもの、作るものとして捉えていたが、その実、胸の奥では自分が観客側ではなく、奏者としてステージに立つことに仄かな憧れを抱いていた。
 その憧れは、shinの曲がひとりの少女に届いたことで動き出す。
 即売会のshinのブースにやってきた少女・リクは、一緒にバンドを組み、音楽フェス「ASAYAKE ROCK FESTIVAL」のトリを目指さないかと持ち掛ける。

impression

 引きこもり志向だけど天才的な作曲センスのあるDTMer・心と、抜群の行動力と魅力的な歌声を持つVtuber・リクという好対照なキャラクターを軸にした作品で、ガールズバンドストーリーを標榜していますが、1巻を読んだ限りではガールミーツガールのような要素もまた強く感じます。
 「ASAYAKE ROCK FESTIVAL」というゴールを明確に設定し、そこにどうたどり着くかというストーリーの背筋がしっかりしているところには好感が持てますし、音楽配信者をヒロインにしながらも、あくまで人がリアルに楽器を奏で、響かせあうことを描いていくところはコンサバティブでクラシカル。小手先の目新しさを目指さず、本格派のストーリー作りをしてきたところに好感をもてます。
 それだけに、作者の筆力、手際が問われることになりますが、彼女らが音楽を奏でることに夢中になっていく様の描写は共感度が高く、いい意味での若々しさが感じられるもので、先々が楽しみな新作です。

2026.5