(むらさき*/芳文社まんがタイムKRコミックス・1巻〜)
ゲーム屋さんでアルバイトする大学生・ましろがお店のゲームを整理中、タイトルのない真っ黒なディスクを起動させると、そこから金髪の少女が現れる。
ゲームの世界から転移してきたその少女、勇者・エルヴィーラは魔法の力で元の世界に帰ろうとするが、転移と同時に覚えた魔法も積み上げたレベルも喪失しており、元の世界に帰ることが出来ない。やがてパーティの仲間・僧侶のルチアや、モンスターまでもが現実世界に転移してきて……。
エルヴィーラらのパーティは現実世界で経験値を積み上げ、元の世界に帰ることが出来るのか?
ゲーム屋さんとその周囲を舞台に、ゲーム世界から転生してきた冒険者たちの活躍を描く作品、ということでゲームにこだわったデザインがなんとも愉しいですね。
カヴァーはゲームのパッケージ風、奥付はゲームディスクをイメージし、カヴァー下にはシークレット映像。キャラクター紹介はゲームの説明書または攻略本ふうで、本文中にもドット絵風の画面が出てきたり、レベルアップのウインドウが開いたりと、とにかく古き良きRPGゲームを彷彿とさせるデザインが徹底されており、それだけでも楽しい気分になれます。
作品としては「きらら」の王道ともいうべきまったり癒し系のかわいらしさを前面に押し出したものですが、現実世界にやってくるモンスターがヒロイン・エルヴィーラたちのレベル上げに合わせるように強くなったり、彼女らの転移にまつわる謎が作品の背骨のように見え隠れしたりと、とれからが楽しみになるような要素も備わっており、期待値の高い新作と言えます。
2022.9