(水沢めぐみ/集英社りぼんマスコットコミックス)
理央は人気バンド「DASH!」の大ファン。念願かなって、コンサート後の楽屋訪問のチケットが当たるが、かんじんのその時、理央は花束を渡すことがやっとで、あこがれのサトルに何も話しかけることが出来ず、後悔だけが心に残ってしまう・・・
表題作をはじめ、少女達の心のターニングポイントを描いた短編3作を収録。
「少女マンガらしい少女マンガ」を描き続ける、水沢めぐみさんの短編集です。3作とも水沢作品らしいゆったりとして優しい空気が漂っていて、好感度の高い一冊になっています。
いずれの作品もありふれたシチュエーションの中、恋を通じて大人になる少女を描いていて、インパクトの強さはありませんが、その分安心して読める、穏やかな印象の作品になっています。
わざとらしいほどにハッピーエンドになってしまうので、ストーリー作りやリアリティという意味では評価は分かれるかもしれませんが、このへんはまぁ、少女マンガだから・・・(笑)ということで。中盤の盛り上がりや雰囲気のよさはそれをカバーして余りあるものがあると思います。
2000.9