(卯花つかさ/芳文社マンガタイムKRコミックス・1〜2巻)
お嬢様学校の鳳女学院に入学した冴だったが、クラスに溶け込むことが出来ず、昼休みは人気のない裏庭でひとり、覚えたての麻雀アプリを楽しむ日々。
しかしその裏庭に、トップオブお嬢さまの千星がやってきて、麻雀に興味を示したことから冴の静かな日常が一変する。
麻雀初心者の、戸惑いつつもわくわくする姿を描いた、麻雀×お嬢様×四コマという新機軸!
バードウォッチング、野球観戦、釣りなど男性向けの趣味と女子高生を組み合わせるのは最近の「きらら」レーべルの十八番となっていますが、その中でも真打登場と言えそうなのが、最近ブームの麻雀。「アニマエール!」など手堅くヒット作を送り出している卯花さんがそのマッチアップをそつなく提示してくれています。
単に「麻雀×JK」では「咲-saki-」などの二番煎じと言われそうなところを、“お嬢様”というキーワードで「麻雀×JK」のギャップをさらに分厚くしているところが興味深いですね。
さらにキャラクター全員を初心者(純礼は初級〜中級くらいかなと思いますが)として、「麻雀」より「JK」に重心を置いて同ジャンルの作品との差別化を図るとともに、初心者が新たな趣味にどんどん引き込まれていく様が、読者に共感を覚えさせやすくなる効果に繋がっています。
その分、麻雀マンガに期待されるであろう、ヒリヒリするような駆け引きのスリルであるとか、パズルを解いていくような知的なカタルシスとは無縁。
そういう意味では読者を大きく選ぶ作品ですが、このサイトを楽しまれる方なら問題なく楽しめるのでは。
コミックスのカヴァーを見て期待される通り、一種独特の華やかでふわふわの麻雀マンガを楽しめます。
2024.9