（麻生みこと／白泉社花とゆめコミックス・全８巻）
羽柴ヒロミはＴ大入学を目指し勉強一筋だった高校時代を乗り越え、無事、「大学デビュー」を果たす。
が、その派手なルックスとハイテンションな言動でまわりから浮きまくってしまう。そんな彼女の前に現れたのは人畜無害な外見のヒデキと、人より畜に近いような外見の熊男・ゴロー。個性バリバリの三人が日本最高学府を闊歩する痛快ハイテンションコメディー。
とにかくパッション高いひろみのキャラクターが全てと言ってもいい、痛快な作品です。
本能で行動する上に、弁が立つ、というのはどちらかというとちょい役型のキャラクターですが、あえてそれを徹底させたことで、愛すべき、そして印象強いキャラクターになり、それが作品のムードを決定づけています。
しかし、ひろみはただうるさいだけのキャラクターだけでなく、どこかにハイティーンの少女らしい弱みを持っていて、それがにじみ出てくるところが主人公らしい点。同世代の女の子なら、憧れながらシンクロできる、そんな希有なキャラクターになっています。
キャラクター要素に引きずられた作品ではありますが、そこから目を離せない、力強い佳作です。
２０００．１２