(おおばやしみゆき/小学館ちゃおフラワーコミックス・全3巻)
チルこと高橋みちるは素直で無邪気な小学生。というのは外ヅラだけで、実は「上岡龍太郎のように弁のたつこども」。無邪気に振る舞おうとすればするほどストレスが溜まり、地を出しているところを見られてしまった相手が運悪く代理教師の青島先生。
この先生がまた、「先生になりたいと思ったことがない」「こどもだって好きじゃない」というとんでもない先生。
しかしチルはそんな先生が気になりはじめて・・・
おおばやしみゆきさんの、切なくて、笑える初恋ストーリー。
生徒と教師の恋愛ものというと普通なんですが、生徒が小学生(この場合「児童」というのだな)というのもすごいし、キャラクター設定も一風変わってて思わず興味を惹かれます。
多彩な表情、絶妙なテキストにより、恋に戸惑い、自分を止められなくなるチルの心理が巧妙に描写されている点が○。
しかしただの恋愛ストーリーで終わらず、次から次へとトラブルが発生して飽きない構成に、クールな小学生・チルと、ラディカルな青島先生の造形が際立っていて、ふしぎな雰囲気を醸しだしています。こんな二人だからトラブルがあってもシリアスにならず、痛快な解決が用意されていて、すかっとしていてあったかい、そんな不思議な雰囲気のある作品になってます。
ハイテンションモードでも書きましたが、むちゃくちゃ感情移入できる作品だと思います(私だけかな?)
子供の頃ってあんなに大人の恋にあこがれていたのに、今になるとこういう初恋ストーリーにあこがれてしまいます。
1999.1