(山野りんりん/竹書房バンブーコミックス・全4巻)
とある街の小さな喫茶店、すぃーと館では、長女・茶苗(さなえ)、次女・葉摘(はつみ)、三女・珈流(かおる)の3人娘と、「からくり時計の魔法夏のアバンチュール風」「ミス・モンブランのふりふりレースの帽子」etc.メルヘンなメニューがお出迎え。
ほんわかした雰囲気と、ずれたセンスが嬉しい、ホット&スイート4コマ。
最近の竹書房お得意のかわいい系4コマの中でも、独特のセンスが光る作品です。コミックス1巻のオビには「癒やし系コメディ」と書かれていますが、どちらかというとテンションの低い不条理系、といった感じを受けます。
全体を通して、喫茶店や女のコの日常をネタにした、手堅い理詰めのネタ作りで読んでいて「???」となることはないんですが、ヒロイン・茶苗や柿沼青年のズレたセンスが平凡なネタをうまく非凡な方向へ転がしていて、同じようなネタが続く割には何度読んでも飽きない、独特の感触があります。
全体にテンションが低いので、カバーどおりの上品な感じを味わいながら、ネタもしっかり楽しめる好作品です。
2002.1