（ユイザキカズヤ／芳文社まんがタイムＫＲコミックス・全２巻）
「いきもの部」はその名とは裏腹に、いきものの世話はほとんどせず、人見知りのキリちゃん、眠り姫なハカナちゃん、優しいお姉さん・ミサキさん、ネコミミ娘のゆにちゃんがまったり過ごす部。
やたら世話焼きのミサキさんが持ち込んだ雑用と、トラブルメーカー・ハカナちゃんが巻き起こすトラブルに、キリちゃんは否応なく巻き込まれて……。
他紙の掲載作を読んだときも感じたんですが、いい意味でズレた感性を持っているマンガ家さんですね。
「きらら」系ではおなじみ、部活を舞台にしたまったり駄弁り系の作品ですが、ボケ・ツッコミを固定せず、快活なやりとりでテンポよく進むところが心地よく感じられますね。オチは「あるある」ネタばかりでなく、「そんなわけねーだろ」とツッコミたくなるような、やや斜め上のオチも多用されているんですが、その一歩ずれた感じがまさにこの作品のカラーになっています。
まぁ、最終的にはエマーソンの存在感が強すぎて、印象を全部持っていかれているというか、飛び道具の使いどころを間違えているというか、若干疑問に思わないでもないんですが、百合色をほどよく中和している、と考えればこれも作者のセンスが光っている、ということかも知れません。
２０１４．１１