（渡瀬悠宇／小学館少コミフラワーコミックス・全５巻）
北海道から盟王学園に入学するために上京して来た山崎たんぽぽは、入学式の前日、忍び込んだ学校で花をいたわる少年と出会う。
しかし入学してみると、盟王は良家の子女のための学校で、受験入学、それも補欠のたんぽぽは完全に周囲から浮いてしまう。昨日の少年〜盟王の創設者である九卿家の御曹司、九卿公暉もなぜかたんぽぽに冷たく当たり・・・
それでもめげないたんぽぽは公暉と友達になる！と宣言する。
「ふしぎ遊戯」「妖しのセレス」とファンタジー大作を続けざまにヒットさせた渡瀬さんの新作は一転して学園コメディー。関西系のノリがばりばりで、ボケ−たんぽぽ。ツッコミ−公暉のテンポのいいやりとりが楽しい作品になっています。
キャラクター作りのあざといまでの妙味もこの作品の魅力。動−たんぽぽ、静−公暉、あるいは明−たんぽぽ、暗−一般生徒といったコントラストの強さや、「にょにょーっ」が口癖のたんぽぽ、二重人格のキツネ「ポプラ」など、これでもかというくらい印象の強いキャラクター作りが軸になっています。
そして何よりもこの作品の力になっているのが、いつも明るくめげない、たんぽぽの存在。彼女の一挙手一投足が癒しの力を発揮する、そんなテンション高くて、それでいてほんわかした楽しい作品です。
２０００．９