（えのあきら／小学館サンデーＧＸコミックス・１〜２２巻）
バイク便ライダーの主人公・宮城進武と、旧車主体のイタリアンバイクショップ『ＧＯＢＬＩＮ』の店長・滝沢レナ、レナの親友・安達カナコの３人をメインとしたバイクラブコメ。
バイクのことになると目の色を変えるくせに恋には鈍感なミヤギとレナの煮え切らない関係を、旧車に関する蘊蓄を絡めつつ、雰囲気豊かに描く。
バイクネタをメインに据えたラブコメです。バイクと言っても走りをメインにしたものではなく、マシンやレストアに関するエピソードが中心なので、落ち着いた印象がありますね。
バイクに関するエピソードもマニアックに走りすぎることなく、作品に個性を与えるエッセンスとして機能してますし、なによりストーリーの軸として作品をひきしめており、適度に物語を引き締める上でいい効果を発揮しています。ラブコメと言っても、小ネタに頼らず、会話のテンポでムードを作っているのも、作品をしっかりまとめる上で奏功していますね。
もひとつ特筆したいのは背景や小物の良さ。マシンはもちろん、風景描写や室内描写がキャラクターを邪魔せず、うまく引き立てる感じで描き込まれており、これがいいムードを作っているような感じがします。
全体的に落ち着いた印象があり、そこが美点になっている、しっかりしたラブコメですね。
２００１．８