(重野なおき/白泉社ジェッツコミックス・1〜3巻)
1569年。尾張の風雲児・織田信長は天下統一へ向けて着実に勢力を広げつつあった。
播磨の弱小大名・小寺政職に仕える家老・黒田官兵衛のもとにも、その勢いは迫りつつあった。
西の毛利につくか、東の織田の傘下に入るか、揺れる小寺家。官兵衛は新興勢力・織田につくことを進言するが……。
戦国史に名を残す軍師・黒田官兵衛の生涯を描いた大河四コマ。
多作のヴェテラン四コママンガ家らしい、安定した取り口の作品ですね。
ストーリーは黒田官兵衛の生涯をなぞったもので、テンポよく進む分、キャラクター数も多くなるんですが、それでいて説明的だとか、誰が誰か分からないということなく、すんなり楽しめるところはさすがヴェテランと感じさせます。
ただ史実を説明するだけで4コマを使い切るネタはほとんどなく、起承転結を使って最後にしっかりオチをつけてくるところは好感が持てますね。「歴史もの」を読んだという充足感と、「四コマ」を読んだという充実感が、高いレベルで両立する作品になっています。
2014.11