(種村有菜/集英社りぼんマスコットコミックス・全3巻)
30世紀。地球国の姫、朱臣響古は身分を隠して高校に通っていたが、そろそろ公務にも顔を出さなければならない年頃に。
一度は学校はあきらめ、「姫」に専念しようと思う響古だったが、16年間眠り続ける妹・憂姫も目覚めさせれば自由を得ることが出来るかも知れないと知り、その鍵となる12個の「神の石」と12人の能力者を捜すことに。
「時空石」を手にし、最初の能力者「時空異邦人」となった響古姫の冒険が始まる!
いかにも最近の少女マンガ、という感じがする作品ですね。ノリのよさを重視したセリフ回し、個性の強いキャラクター、トーンや効果線を多用した華のある画面、そういった要素が際だっており、全体として快活な雰囲気を醸し出しています。
じっくり読んでみるとセリフ、モノローグといったテキスト部分が意外と多く、ボリュームのある作品なんですが、ストレートなストーリー構成と、前記の雰囲気のおかげでまったく滞りなく、すいすい読める楽しい作品に仕上がっているところは出色。印象的なコマが多いところも、手応えある読後感につながっていますね。
多くの人にお勧めできるタイプの安定した少女マンガと言えるでしょう。
2001.3