(うみのとも・スーパーまさら/芳文社まんがタイムKRコミックス・1〜2巻)
高校に入学した野原玉は、新しいクラスに入っていきなり、埼玉ホワイトキャッツファンの同級生・レオナと、福岡ファルコンズファンの同級生・ファル子が言い争う場面に遭遇する。
それに巻き込まれた玉は、ふたりに拉致されキャッツの本拠地・キャッツドームへ。
そこは球場飯、応援歌、球場飯、ファンクラブ、球場飯……そんな「野球のある日常」という楽しい泥沼への入り口だった。
プロ野球観戦をテーマにした萌え四コマです。
スポーツの応援をテーマにした作品ではありますが、蘊蓄に走るでもなし、観戦のお作法を強要するでもなし、チーム愛にドン引きしてしまうでもなし、まずはお手軽でかわいい萌え四コマという本分を貫いたうえでディテールを重ねるスタイルになっているので、シンプルに笑って楽しめる点には好感が持てますね。
主人公は野球シロートで、脇を固めるふたりがマニアックというキャラクターバランスになっているので、普通に萌え四コマとして楽しみたい人は玉をメインに、マニアックな小ネタや、野球あるあるを味わいたい人はレオナとファル子をメインに楽しめる、この構造はあざとくも巧いと感じられます。
雰囲気だけに終わらせず、最後のコマできっちり笑いを取ってくるところも好感度大。「マンガなんて難しいコト考えないで、こうやってシンプルに笑えるのがいいんだよなぁ」と思わせてくれる好作品です。
2019.7