猫田のことが気になって仕方ない。

(大詩りえ/集英社りぼんマスコットコミックス・全10巻)

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Story

転校を繰り返してきた小学生・周未希子は、新しく越してきた学校でも今までと同じように、いずれ別れるクラスには深入りせずに過ごすつもりだった。
しかしその考えは、隣の席の少年によって覆されることになる。
隣の績の少年・猫田はなんと、猫顔の少年だったのだ。
これは気になって仕方ない……!

Impression

初コミックスの「表×裏ガール」で、粗削りながらも光るところを見せていた作者の、これが本格デビュー作ということになります。
クラスのしがらみにとらわれない転校生がクラスをかき回すという王道ストーリーと、ミステリアスなヒーロー・猫田がストーリーの両輪となっていて、「りぼん」作品らしく平易ながら、ぐいぐいと読者を引っ張っていく魅力のある作品になっています。
猫田の存在は、それだけで作品のムードをコミカルにしますが、彼を出オチ要員にして無理に笑いを取りにいこうとせず、あくまでナチュラルに明るいムードを作っているところには好感がもてますね。おかげで違和感なく、ストーリーに入っていくことが出来ます。ヒロイン・みっきーとヒーロー・猫田はともに「クール」でくくられるどこか大人びたキャラクターですが、そのクールさ(あるいは熱さ)には違いもあり、その対比がなかなか興味深く感じられます。
ストーリーの主眼がはっきりせず、少女マンガらしい華にも欠けるなど、まだまだ粗削りな部分は目立ちますが、それを補って余りある、明るいムードが魅力的な作品です。

2014.4