(井上よしひさ/ジャイブCRコミックス・全5巻)
昭和30年代。
帝都の治安を守るべく活躍していた少年探偵・ダッシュ君は、宿敵・ドクロ博士の奸計に嵌まり、氷漬けにされてしまう。
それから50年後。ダッシュ君は孫娘・横山ひかりによって発見され、現代に甦る。
が。当然50年前のノリで21世紀のこの世を渡りきれるはずもなく、ダッシュ君が事件を解決しようとする度、ひかりは振り回されるのだった……
活発さが印象に残る、少年系スラップスティック・コメディの典型的作品ですね。
ストーリー的には馬鹿馬鹿しいの一語に尽き、格別評価すべき作品でもないんですが、ディテール面がしっかり作り込まれていて、リーダビリティを確保しているのは面白いですね。
40代以上の人がニヤリとしそうな昭和の世俗ネタや、昭和40年代の特撮・アニメを意識したような少年ダッシュ君に関する設定は、この作品の印象を決定づけるとともに、作中で現代と50年前を繋ぐリンクとしても機能していて、読者の興味を引き付けます。
設定面ではまだまだ奥のありそうな伏線が張られており、今後の展開が楽しみですし、絵柄やお色気要素も作品の牽引力として機能しているので、エンジンを多数搭載した、インパクトのある作品に仕上がっています。
2007.1