(matoba/スクウェア・エニックスガンガンコミックス・1〜4巻)
ひとり暮らしの森太郎の部屋のベランダに寝ていたのは、純白の羽根を背中からはやした少女。
「とわ」と名乗るその少女は自分のことを神様から人間のことを勉強して来るようにと遣わされた天使だと名乗る。
とわと暮らすことを決めた森太郎だったが、家事は万端だけれど世間知らずでどこか抜けているとわに振り回される一方。そしてふたりの周りにはさまざまな美少女たちがトラブルと一緒にやって来る。
作者が1巻のカバーで語っている通りの「王道落ちものラブコメ」ですね。口絵には森太郎の部屋でくつろぐとわの姿が描かれていて、日常性と、天使という非日常の存在のコントラストを前面に押し出した作品になっています。
特別今ふうの要素を織り込むでもなく、奇をてらうこともなく、あくまでも王道の本線を堂々と歩いているような作品なので新鮮味はありませんが、アットホームな舞台設定と相まって安定感、安心感は抜群。天然ボケのとわ、一本気すぎるのえるに対して森太郎のツッコミが小刻みに決まっていてテンポのいいラブコメになっており、新鮮味がない=つまらないということにはなっていません。
多彩な美少女が登場する華やかさ、次々とトラブルが舞い込む賑やかさがあって、まったりとしていても中だるみしていないのも美点。
王道を王道として味わう楽しみに満ちたラブコメです。
2022.10