（美麻りん／講談社コミックスなかよし・全２巻）
勉強ダメ、スポーツダメ、家庭科もパソコンも絵もからっきしな中学１年生・杉本初音は、教師に薦められ、合唱部に入ることに。
歌を視覚で捉えることが出来る自分の能力を嫌っていた初音だったが、前向きな合唱部のメンバーに支えられ、歌うことの楽しさを覚える。
その視線の先には、自分の能力「超・絶対音感」を認めてくれたシオン先輩の姿があって……
泣き虫・初音が恋に部活にがんばるピュアストーリー。
合唱部を舞台にした作品ですが、音楽に関するディテールはまるでなく、「音符のオバケ」こと「おんたま」が賑やかに飛び交う、キュートな印象の作品です。
年少向け少女マンガということで、恋愛描写もあっさり目。
さまざまなハプニングに遭遇しながら、努力と前向きさ、そして友情で乗り越えていくヒロイン・初音にフォーカスを置いた、イージーなグローイングアップストーリーと捉えることが出来ますね。
恋愛描写薄め、成長要素多めということで、やや少年マンガ的なテイストがあるかな、とは感じますが、全体的にはライトな少女マンガ。
しかしこなれた絵柄と、メリハリがはっきりしつつ、常にハッピーエンドを意識させるストーリーメイクは新人離れしたものがあり、ライトでありながら、思った以上に読ませてくれます。
読みやすさと読みごたえがほどよくバランスした、年少向け少女マンガの佳作だと思います。
２０１０．８