わたしの狼さん。

(藤原ここあ/エニックスガンガンWINGコミックス・全1巻)

ハイテンションモードへ

Story

「魔力持ち」の少女・小桃はレベル0の勇者。魔王の城へ乗り込んだ小桃だが、待ち受けるレベル2000の魔王はなぜか小桃にくびったけ。
てんやわんやの末、魔王は城を捨てて小桃について旅に出ることに。性悪魔王と純真まっすぐな小桃の珍道中は案の定難題だらけで・・・

Impression

全1巻という小品ながら、センスを感じさせるコメディー作品です。
エニックス作品らしく、淡い画面と全体にほんわかとした雰囲気で進められるこの作品、ほとんどの部分がとぼけた雰囲気の魔王と、純真な小桃のコミカルな会話のやりとりで占められていて、構成的にシンプルなイメージがあります。
しかしその一方では泣かせのシーンなどはきちんと抑えてあり、抑揚は少ないながらも、ストーリーの中での色合いの変化がきちんと付けられていて、コメディ要素でストーリーが弱くなるような部分がなく、このへんのバランス感覚には非常に好感が持てます。
もともとのシチュエーションの素性がよく、会話のテンポもいいので読み終えると全1巻で完結というのが残念な気がしてきますね。

2001.8