親指からロマンス

(椿いづみ/白泉社花とゆめコミックス・全9巻)

ハイテンションモードへ

Story

マッサージ研究会の一年生、東宮千愛が一目惚れしたのは、通学バスの中で見かけた、男子生徒の凝りに凝りまくった背中。
それは学校一のモテ男・森泉陽介の背中だった。
その背中をマッサージさせてくれと切り出す千愛に対する彼の返事は、「俺を本気にさせたら」。
ミステリアスな陽介の言動に振り回されつつも、陽介を自分に惚れさせるため、奮闘する千愛だが、純情で内気な彼女は空回りを繰り返すばかり。果して千愛は陽介の背中に辿りつくことが出来るのか?

Impression

内気な少女の学園恋愛という、少女マンガの定番中の定番と言えるパターンのこの作品ですが、テーマに「マッサージ」を盛り込んだことで、独特の印象を出しています。
細かい恋愛エピソードを連ねながら、要所にコメディ要素としてマッサージに関するネタを挿入。各エピソードの前半部はラブコメの「コメ」の方の印象が強いんですが、ゆっくりと、しかししっかりと「ラブ」の方のストーリーが中盤から盛りあげられていて、双方のバランスがよく取れているように感じられます。
マッサージ研のメンバーに個性的なキャラクターが揃っており、千愛も内気系ヒロインにしてはテンションが高いので、総じてナチュラルハイな、あっけらかんムードが漂っており、コメディらしい肩の凝らないムードが気持ちよく感じられる作品です。モノローグに頼らず、セリフ回しでストーリーを進めているところも、明朗なムードに繋がっていますね。
新人さんらしく、ストーリー運びやキャラクター作りにぎこちなさが残っている部分も正直あるのですが、この作品の場合、それも持ち味になっていますね。

2004.2