リングにかけろ 2

(車田正美/集英社ジャンプコミックスデラックス・全26巻)

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story

伝説の世界チャンピオン・剣崎順を父に持つ少年、剣崎麟童は厳格な家を飛び出し、父譲りのボクシングの才能を、ストリートファイトで浪費していた。
その頃、順のかつての僚友であり、麟童の育ての親・香取石松の許に、欧州Jr.チャンピオン、ザナドゥ・スコルピオンが訪れる。強大なスコルピオンの力を目の当たりにした麟童は父を超えるべく、ボクシンググラブを手にするのだった。

impression

古の大ヒットマンガ、「リングにかけろ」のセカンドエイジ版です。
20年前の作品のリバイバルであり、キャラクターも元の「リングにかけろ」をベースにしているため、対象読者は30代以上になるはずなんですが、下手に大人受けを狙ったおとなしさはなく、少年誌に連載されていた当時そのままの、判りやすく盛り上がれる、シンプルなエンターテインメント作品に仕上がっています。
しかし、前回はシンプルに、主人公・高嶺竜児がライバル・剣崎順をはじめとする強敵と戦うことによって成長していく物語だったのに対し、今回のヒーロー・麟童、伊織らは偉大な父という壁を超えられない少年として描かれており、既に偉大なる父を越えて力をつけた蘭やスコルピオン、ジュリアーノ兄弟らを倒すことで成長を遂げていく、という図式になっており、現代の、元気のない若者に対するメッセージが込められたような構造になっているのは、興味深いポイントです。

2004.3