ササキ様に願いを

(みずしな孝之/竹書房バンブーコミックス・全6巻)

ハイテンションモードへ

story

横浜ベイスターズの「大魔神」こと佐々木主浩投手を主人公に据えた野球4コマ。横暴で強力、天上天下唯我独尊のササキ様とその後輩でドレイ役のタカシ(斎藤隆)のコンビを中心に、たにしげ、タカノリ、佐伯、プチ万永らが騒動を巻き起こす。痛快なエスカレート論理が独特の画調と相まって、独特の世界が展開され、一度読むとクセになる作品。

impression

横浜ベイスターズが38年ぶりに優勝したもので、近所の書店でも優勝記念フェアをやっておりまして、ヨメさんの報告によると、「週刊ベースボール」や、「Number」の増刊と一緒に、このコミックスもずらっと平台に並べられていたそうです。鈴木や石井琢、三浦と言った現在の主力達を、準レギュラー時代から書いてきた4コマ。これを機に手にしてくれる人がいっぱいいるといいですね。
さて、この作品の漢字も書けなければ足し算も出来ない「たにしげ」はコミックス中に出てくる話によると、遠藤投手コーチが、谷繁はなかなかサインを覚えてくれないということを言ったのを、拡大解釈して生まれたキャラクターなのだそうで、ほかのキャラクターも万事その調子。肩が極端に弱い鈴木、ガッツが有り余って壁でもフェンスでも突き抜けてしまう波留、ササキ様の後輩歴10年でもはや奴隷以下の存在の斎藤隆、そして「スクイズしないと死んでしまう病」の近藤監督(おっとこれは拡大解釈でもなんでもないか!?)。とにかくそののエスカレート理論が痛快で、ばかばかしさに笑ってしまいます。
でも、人選がぴったり、旬の選手を扱っていて、みずしなさんの眼力と筆力の確かさがうかがわれ、ただ選手をモデルにキャラクターを作ってそれだけで勝負してるマンガじゃないぞ、と思わされます。
ある種理詰めのネタが多いみずしなさんの作品の中で、この作品だけは勢いで読ませるものになっています。個人的には川村あたりもっと出してほしいのですが。どんなものでしょう。

1998.11