トップ オブ ザ ワールドな人たち

(小坂理絵/講談社コミックスなかよし・全2巻)

ハイテンションモードへ

Story

新・高校一年生の香月礼弥(こうづき・あやみ)は、超内気な性格。高校でも地味な華道部にでも入ろうかと思っていたが、ひょんなことから世界記録を樹立することを目的とした、その名も「チャレンジ部」に入部することに。そしてその翌日、礼弥には運命的な出会いが待っていた・・・

Impression

内気な主人公に、テンションの高い脇役陣を配すると、えてして主人公がかすんだり、逆に浮き上がって見えがちですが、この作品では主人公から視線を外さず、サブキャラに踏み込むことがないので、礼弥の心の動きがきちんと表現され、好感の持てるキャラクターバランスが構成されています。
1巻に収録されている短編「シンシアリー」もそうなんですが、内気な女の子の一途さがちょっと「アブナイ」感じに表現されているのがいいですね。ただ内気、ただ一途というだけではなく、ちょっとした小ネタで恋心にディテールが加えられている。こういう部分もまた、主人公を主人公としてはっきり目立たせていると思います。
何となく賑やかで、テンションが高くて、なによりリズム感がよくて、くいくいと引き込まれるように読んでしまう、そんなマンガです。コメディーに大事なのは、なによりテンションとリズム、そんな感じがしみじみとしてくる、そんな作品です。