危険がウォーキング

(星里もちる/エンターブレインビームコミックス・全3巻)

ハイテンションモードへ

Story

北海道から東京に転校してきた岡原佳枝は気温が30度以上になると汗が爆発するという特異体質。なんと汗がニトログリセリンで出来ているのだ。
瓦礫飛び散り爆風が舞い、爆音とどろく彼女の周囲。それでものほほんな家族や、いつも彼女を真剣にフォローしてくれる彼氏・いくろうくん、住吉署の刑事達に守られ一応平穏無事な生活を送る佳枝だったが、彼女の前にいくろうくんに横恋慕する赤面高熱症少女・園部その子さんが現れて・・・

Impression

汗がニトログリセリンで出来ている、というワンアイディアで引っ張るユニークなコメディです。設定はかなりぶっ飛んでいますが、キャラクターやストーリーの進め方はきわめてオーソドックスで、けして壊れた特異体質ギャグにせず、コメディの線に抑えてるのがポイント。なので、15年前の旧作でありながら、それなりに楽しんで読むことが出来ます。まあ、ハイジや斎藤由貴さんなど小ネタの古さはどうしようもないですが。
気楽に楽しめる少年系コメディ、という意味では今日でもまったく違和感無く楽しめる作品。いい意味で毒にも薬にもならないようなタイプの作品で、好感が持てますね。

2001.3