(なもり/一迅社百合姫コミックス・1〜15巻)
赤座あかり、歳納京子、船見結衣。幼なじみの女子中学生3人は、廃部になった茶道部の元部室を無断で占拠、「ごらく部」として活動していた。
もっとも「活動」と言っても、部室でぐだぐだしていて、無駄に時間をつぶすだけ。
しかし、アニメキャラ「ミラクるん」にそっくりな吉川ちなつが仲間になったり、生徒会副会長の杉浦綾乃が部室の明け渡しを求めてやって来たり。ゆるゆるまったりのはずが、案外時折刺激的だったりするガールズトークコミック。
「ゆるゆり」というタイトルそのまま、登場人物はすべて女子で、学校や家庭を舞台にスローなネタを展開する、まぁ、今流行りな作品です。
A5判のコミックスで、四コマと同じ売り場で見かけることも多い本ですが、内容はひとネタを1〜3ページで展開するショートコミック。四コマの制約なしにネタが展開され、大ゴマも適宜使うことで、テンポの緩さがさらに生きているように感じられます。
エンジン役の京子はひと昔前の不条理系コメディを思い起こさせるようなキャラですが、ツンデレの綾乃、百合色の強い向日葵・櫻子、自虐ネタのあかりなど、当世標準、と言った感じの持ちネタが脇を固め、なんというか「総合力で勝負」という感じの、バラエティに富んだネタ回しが、この作品の魅力になっています。
2012.10