銀翼の魔戦鎧(ゼーラ=ヴィット)

(早矢塚かつや/一迅社文庫)

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Story

まともな稼ぎのない甲斐性なし、アスト=オルドビスは「災厄の魔法使い」が完成させたという新型の魔法鎧を盗み出す仕事に関わることになる。
しかし計画はわずかに齟齬を来し、アストは魔法使いの弟子である少女・ウィスティアリア=レイラインと旅に出ることになる。さらに旅先ではサーカスの少女・ルッカと知り合うことになり……
剣と魔法と旅とお色気が交錯し、魔戦鎧が地を駆けるライトファンタジー。 

Impression

個人的に、ファンタジーあるいはSF系の作品は、設定やら世界観やらを理解するのに手間取ることが多くて敬遠していたんですが、この本はすんなりと楽しむことが出来ました。
問題の設定や世界観は、「剣と魔法」の定番的なものや、某有名ロボットアニメを下敷きにしたような、どこかで見たようなものばかり。なので、コアなファンタジーファンにはかなり物足りないと思われるのですが、ファンタジーアレルギー気味の私にはすんなり作品に入ることが出来るものでした。
その物足りない部分は、「魔戦鎧」をキーワードに、ロードムービー的に進行していくドラマの魅力で補完。設定の説明にページを割かない分すんなりドラマに入っていける上に、アイディアのあるアクションがふんだんに盛り込まれ、適宜お色気描写も挿入されて、どことなくB級映画的な気楽さと面白さが感じられます。
大風呂敷を広げることをせず、読みやすくバランスの取れたファンタジーという風情の作品で、今後もこのライトさを貫いていくのか、王道ファンタジー的な方向へ進んで行くのか、注目したい新作です。

2014.4


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