(平坂読/MF文庫J)
ハーフの少年・羽瀬川小鷹は、そのナチュラルにヤンキーじみた風貌とぶっきらぼうな性格から、学校で浮いている存在。
彼はある日、同じようにクラスで浮いている少女・三日月夜空がひとり楽しそうにしゃべっているところを目撃する。不審に思った小鷹が訊ねると、夜空は「エア友達」と話していたと、突拍子もないことを話し出し……やがてふたりは友達作りを目的とした部活、「隣人部」を作ることになる。
「隣人部」には次から次へと、友達の少ないアレな少年少女がやって来て……
前作・「ラノベ部」の流れを組んだ、日常系コメディ。
ですが、前作が四コマ的にまったりとした部活の日常を描いていたのに対し、こちらは夜空・星奈のふたりを中心にしたハイテンションなかけあいが売り物になっていて、四コマというよりは、少年誌系のコメディのようなテンポの良さが光ります。
タイトルやオビからもある程度連想できますが、二次元オタク系のネタを大量に配置しているのもこの作品の特徴ですね。このへんは好みの別れるところかもしれませんが、ネタが分かる人にとっては楽しみを倍加させる装置として、よく機能していると思います。
1話1話のヴォリュームも小さく、まさにコミック感覚で読み進められる作品。
笑わせることに特化したキャラクターコメディとして、独特の存在感を見せるライトノベルです。
2010.6