生徒会の一存

(葵せきな/富士見書房富士見ファンタジア文庫)

ハイテンションモードへ

Story

美少女だけが集まる碧陽学園生徒会。
そこに成績優良枠で入って来た杉崎鍵は、その初日にいきなり、「皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対幸せにしてやるから」と、とんでもない告白(?)をする。
当然4人の美少女たちの反応は冷たかったのだが……
ほぼ全編が生徒会内で繰り広げられる、ユルくてハイテな爆笑学園ライトノベル。

Impression

生徒会室に舞台をほぼ固定し、5人の固定メンバーによるかけあいのみで進行する、一風変わったライトノベル作品です。
個性的なキャラクターが繰り広げるかけあいはテンションが高い上に切れ味も抜群で、どの方向に話題が転がっていくか分からない面白さがあります。
ノリ的にはライトノベルよりも四コママンガや美少女ゲームに近いものがありますが、それらと違ってビジュアル要素がなく、ひたすら活字で会話を追うことになるため、破壊力のあるネタを徹底的に楽しめます。まさに『ライト』なライトノベルといえる軽さが身上の小説ですね。
テーマ自体は恋愛など学園生活では普遍的で、硬派といえるテーマも交えていますが、それゆえに読者の興味を最初から最後までひきつけている点も見逃せないポイント。
なにより会話だけで1冊作ってしまい、それでいて道中まったくテンションが下がらないというのはすばらしく、ノンストレスで楽しめる充実したお笑い作品といえます。

2008.7


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